公開日 2020年12月16日
令和3年度(令和2年1月1日から令和2年12月31日の間に得た収入)の個人住民税から適用される主な改正点をお知らせします。
基礎控除の見直し
・基礎控除額が10万円引き上げられます。
・合計所得金額が2,400万円を超える納税義務者については、その合計所得金額に応じて逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える納税義務者については基礎控除の適用はできなくなります。
改正後の基礎控除額
合計所得金額 | 基礎控除額 |
2,400万円以下 | 43万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 |
2,500万円超 | 適用なし |
給与所得控除の改正
・給与所得控除が一律10万円引き下げられます。
・給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が850万円、その上限額が195万円にそれぞれ引き下げられます。
改正後の給与所得速算表
給与収入金額 | 給与所得 |
0円~550,999円 | 0円 |
551,000円~1,618,999円 | 給与収入金額-550,000円 |
1,619,000円~1,619,999円 | 1,069,000円 |
1,620,000円~1,621,999円 | 1,070,000円 |
1,622,000円~1,623,999円 | 1,072,000円 |
1,624,000円~1,627,999円 | 1,074,000円 |
1,628,000円~1,799,999円 | 給与収入金額×1/4×2.4+100,000円 |
1,800,000円~3,599,999円 | 給与収入金額×1/4×2.8-80,000円 |
3,600,000円~6,599,999円 | 給与収入金額×1/4×3.2-440,000円 |
6,600,000円~8,499,999円 | 給与収入金額×0.9-1,100,000円 |
8,500,000円以上 | 給与収入金額-1,950,000円 |
※改正後は給与所得控除額が10万円引き下げられることにより、改正前と同じ収入金額でも所得金額が10万円上がることになります。
ただし、同時に配偶者控除・扶養控除の対象者になることができる所得要件が10万円引き上げられているため、年間の給与収入が103万円以下であれば、これまでと同じく配偶者控除・扶養控除の対象者となります。
公的年金等控除の改正
・公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。
・公的年金の収入金額が1,000万円を超える場合の公的年金等控除額については、195万5千円が上限とされています。
・公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合の公的年金等控除額については、控除額が逓減します。
所得金額調整控除額の創設
次の要件に該当する場合は、給与所得から所得金額調整控除が控除されます。
(1)給与等の収入金額が850万円を超え、次の①から③のいずれかに該当する場合
①本人が特別障害者に該当する
②年齢23歳未満の扶養親族を有する
③特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する
【計算式】所得金額調整控除額=(給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)-850万円)×10%
(2)給与所得及び公的年金等に係る雑所得の金額があり、給与所得および公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合
【計算式】所得金額調整控除額=(給与所得(10万円を超える場合は10万円)+公的年金等に係る雑所得(10万円を超える場合は10万円)-10万円
※(1)と(2)の要件を両方満たす場合、それぞれの計算式で求めた控除額の合計額が給与所得の金額から控除されます。
調整控除の改正
調整控除について、合計所得金額が2,500万円を超える場合は適用外となります。
ひとり親控除の適用について
(1)ひとり親控除について
婚姻歴や性別に関わらず、生計を一にする子(前年の総所得金額等が48万円以下)を有する単身者について、「ひとり親控除」(控除額30万円)が適用されます。
(2)寡婦控除の見直しについて
(1)以外の寡婦については、引き続き控除額26万円を適用することとなり、子以外の扶養親族を持つ寡婦についても所得制限(前年の合計所得金額500万円以下)が設けられます。
非課税基準・所得控除等の適用に係る合計所得金額要件等の改正
給与所得控除・公的年金等控除の改正に伴い、非課税基準や所得控除等の適用に係る所得要件が見直されました。
要件等 | 改正後 | 改正前 |
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件 | 合計所得金額が48万円以下であること | 合計所得金額が38万円以下であること |
配偶者特別控除に係る配偶者の合計所得金額要件 | 合計所得金額が48万円超133万円以下であること | 合計所得金額が38万円超123万円以下であること |
勤労学生控除の合計所得金額要件 | 合計所得金額が75万円以下であること | 合計所得金額が65万円以下であること |
寡婦およびひとり親に係る生計を一にする子の総所得金額要件 | 総所得金額等が48万円以下であること | 総所得金額等が38万円以下であること |
雑損控除に係る親族の前年の総所得金額等要件 | 合計所得金額が48万円以下であること | 合計所得金額が38万円以下であること |
家内労働者特例(必要経費の最低保証額) | 55万円 | 65万円 |
障害者・未成年・寡婦・ひとり親に対する非課税措置の合計所得金額要件 | 合計所得金額が135万円以下であること | 合計所得金額が125万円以下であること |
均等割非課税基準における合計所得金額要件 |
28万円×(本人・扶養親族等の合計人数)+10万円+ 16万8千円(注釈)以下であること |
28万円×(本人・扶養親族等の合計人数)+ 16万8千円(注釈)以下であること |
所得割非課税基準における総所得金額等要件 |
35万円×(本人・扶養親族等の合計人数)+10万円+ 32万円(注釈)以下であること |
35万円×(本人・扶養親族等の合計人数)+ 32万円(注釈)以下であること |
(注釈)扶養親族がいる場合のみ、この金額(16万8千円又は32万円)を加算します。
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