○藍住町議会基本条例

令和4年9月26日

条例第16号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条~第4条)

第3章 町民と議会との関係(第5条)

第4章 議会と行政との関係(第6条~第8条)

第5章 自由討議の活性化(第9条)

第6章 委員会の活動(第10条)

第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第11条~第14条)

第8章 議員の定数及び報酬(第15条)

第9章 最高規範性と見直し手続(第16条・第17条)

附則

(前文)

昭和30年、藍園村と住吉村が合併し藍住町が誕生した。

藍住町は、徳島県の東部に位置し、県都徳島市に隣接して、北に阿讃山脈を望み南に吉野川が流れ、肥沃な平野に恵まれ、古くから藍づくりが行われてきた。

歴史的伝統文化の「藍の文化」は、町民に愛され町民の誇りとしてきた。こうした阿波藍に代表される藍住町は、水と緑と太陽に恵まれた自然豊かな町として発展してきたが、近年、人口の急増に伴い、住宅都市的景観の町として発展を続けている。

藍住町政は、選挙で選ばれた町長と同じく選挙で選ばれた議員が構成する議会の二元代表制で運営されている。

議会は、言論の府として民主的で活発な議論を重んじ、公正及び透明で「開かれた議会、信頼される議会」として、また、町政運営の監視及び評価を行う役割が期待される議事機関として、執行機関の町長と相互に独立対等な立場で、緊張関係を守り、抑制と均衡を保ち、地方自治体の自立に対応できる議会としての改革を求めている。

議員は、まちの課題や町民の声を的確に把握し、町民の多様な声を反映した政策立案及び提案を行い、同時に、町民には議会への積極的な参加を求め、「情報提供とその共有化」を図る一方で、議員一人一人は、町民に選ばれた代表者として自覚すると同時に公正かつ誠実に行動し、常に議会の在り方を見極め、自らの役割と職責の重要性を認識し、町民の負託に全力で応えていく決意をしている。

ここに、藍住町議会が目指す基本理念及び基本方針を定め、議会における最高規範としてこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方分権の時代にふさわしい、町民に身近な議会として、議会活動の活性化と充実のために必要な、議会運営の基本事項を定め、町政の情報公開と町民参加を基本にした「住民がいつまでも安心して暮らし続けられるまち」の実現に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動をしなければならない。

(1) 公正性及び透明性を確保し、町民に開かれた信頼される議会を目指す。

(2) 正副議長の選出に当たり、その選出の過程を町民に明らかにしなければならない。

(3) 町民の多様な意見を把握し、政策形成に適切に反映できるよう、積極的な広報及び公聴活動等、町民参加の機会の拡充に努める。

(4) 審議や議論が活発に行われるよう、議会運営や調査・研究機能の充実を図り、政策提言、政策立案等を強化する。

(5) 議会は、別に定める申合せ事項、慣例等は、時代に合わせて見直しを行う。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動を行う。

(1) 町民の負託を受けた立場を自覚し、町政の発展と町民福祉の向上のために職務を遂行する。

(2) 自らを律し、品位を重んじ、公正かつ誠実に活動する。

(3) 議会が合議制の機関であることを認識し、議員相互の責任ある自由な討議を尊重する。

(4) 町政の課題全般について、町民の意見や要望を的確に把握するとともに、自己の資質を高める不断の研さんに努め、町民の代表にふさわしい活動を行う。

(5) 議員は、藍住町議会議員政治倫理条例(平成19年藍住町条例第215号)に規定する議員に求められる政治倫理を常に自覚し、行動する。

(会派)

第4条 議員は、議会活動を行うために会派を結成することができる。

2 会派は、政策を中心とした同一の理念等を共有する議員で構成する。

第3章 町民と議会との関係

(町民参加及び町民との連携)

第5条 議会は、議会活動に関する情報公開を徹底し、町民と相互の情報を共有する。

2 議会は、本会議及び常任委員会のほか、全ての会議を原則公開とする。

3 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)に規定する学識経験者等による専門的調査並びに公聴会制度及び参考人制度を活用して、町民等の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させる。

4 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置付けるとともに、必要に応じて請願者及び陳情者の意見を聴くことができる。

5 議会は、議案に対する各議員の態度を議会広報等で公表できる。また、当該各議員の態度に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努める。

6 議会は、町民、各種団体等との交流を深め、連携を強めるために、必要に応じて、多様な形態の町民と議会との意見交換会を開催し、広く町民の意見を聴取し、議会活動に反映させるよう努める。

第4章 議会と行政との関係

(町長等との関係)

第6条 議会審議においては、議会と町長は、共に町民を代表するものであり、互いの権能を尊重し、かつ緊張関係の保持に努めなければならない。

2 議会における質問は、議員固有の権限であり、議員は、質問原稿の作成に当たり、町長及び執行機関の長並びに補助機関の職員(以下「町長等」という。)に代筆行為の要求をしてはならない。

3 議会の本会議における一般質問は、原則、一問一答方式を採用し、単に町長等への質問に終始することなく、政策提言等、建設的な議論を展開するよう努める。

4 議会の本会議における審議や議論を深めるために、議長から出席を要請された町長及び教育長並びに副町長は、議員の質問に対して、議長の許可を得て反問することができるものとする。ただし、質問の趣旨・内容確認のためにするものに限る。

(議案審議及び政策提言等)

第7条 議会は、政策提案機能の強化に努め、もって条例の提案、議案の修正及び決議等を行う。

2 議会は、町長が提案する重要な計画、政策及び事業(以下「政策等」という。)について、議会審議における論点及び情報を整理し、その政策等の水準を高めるため、町長に対し、次に掲げる事項の資料の提出及び説明を行うよう求める。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 町民参加の有無及びその内容

(4) 総合計画における根拠又は位置付け

(5) 政策等の実施に係る財源措置

(6) 将来にわたる政策等の効果及びコスト計算

3 議会は、重要な政策等の提案を受けたときは、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努める。

(予算及び決算における議会の責任)

第8条 議会は、町長が予算案及び決算案を議会に提出し、議会の審議に付すに当たっては、前条の規定に準じて、町長に対し施策別又は事業別の分かりやすい政策等の説明資料を作成するよう求める。

2 議会が予算を伴う条例案を提案するときは、事前に町長と協議をする。

第5章 自由討議の活性化

(自由討議の保障と合意形成)

第9条 議会は、言論の府であることを十分に認識し、議員相互間の責任ある自由な討議を中心とした運営を行う。

2 議会は、常任委員会及び特別委員会等において、議案及び町民提案等に関して審議し、結論を出す場合は、議員相互間の自由討議を尽くして合意形成に努める。

第6章 委員会の活動

(委員会の適切な運営)

第10条 議会は、社会・経済情勢の変化による新たな行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会を設置する。委員会は、専門性と特性を生かして適切な運営を図る。

2 委員長は、委員会の秩序保持に努め、委員長報告書を作成し、質疑については、責任を持って答弁しなければならない。

第7章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実強化)

第11条 議会は、議員の政策提言能力及び行政監視能力の向上のため、議員研修の充実強化を図る。

2 議員は、多様な知識を吸収するため、精力的に研修会に参加し、自己啓発に努めなければならない。

(議会事務局の体制整備)

第12条 議会は、議員の政策形成能力の向上を図るため、議会事務局の調査機能及び法務機能の充実強化を図るよう努める。

(議会図書室の充実)

第13条 議会は、議員の調査・研究に資するため議会図書室の充実を図り、これを議員のみならず、町民及び町職員の利用にも供する。

(議会広報の充実)

第14条 議会は、町政に係る情報を議会の視点から、町民に対して積極的に公表するとともに、周知するよう努める。

2 議会は、情報技術の発展に伴い多様な広報手段を活用し、町民が議会と町政に関心が持てるよう広報活動に努める。

第8章 議員の定数及び報酬

(議員定数及び議員報酬)

第15条 議員定数及び議員報酬は、それぞれ別に条例で定める。

2 議員定数又は議員報酬の改定に当たっては、町政の現状と課題及び将来の展望並びに町民の多様な意見を考慮しなければならない。

3 議員定数又は議員報酬に関する条例の改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して、委員会又は議員が提出する。

第9章 最高規範性と見直し手続

(最高規範性)

第16条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する条例、規則等を制定してはならない。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例に関する研修を行わなければならない。

(見直し手続)

第17条 議会は、一般選挙後速やかに、議会運営委員会で、この条例の目的が達成されているかどうかを検証する。

2 議会は、前項の規定による検証の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講ずる。

この条例は、公布の日から施行する。

藍住町議会基本条例

令和4年9月26日 条例第16号

(令和4年9月26日施行)